今年は令和6(2024)年のGWは暦通りに休めたものの、諸所の手配に出遅れてしまい、宿泊先を確保できた後半に二泊三日の日程で山形県の城跡をいくつか攻めてきた。ただ最終日は雨の予報だったので、時間内に行ける城跡などを詰め込めるだけ詰め込んだった感じの日程で、毎日が濃厚で疲労との戦いの二日間でもあった 。
月曜日である二日目は振替休日で、巷では連休の最終日。曇り空だけれど雨の心配はない天気で、念願の「北の関ヶ原(慶長出羽合戦)」の舞台になった長谷堂城跡と周辺にある古戦場跡を巡る予定であった。
午前中は予定通り長谷堂城跡を攻め、午後の古戦場巡りの前に、その周辺で見つけることができたラーメン屋で昼を摂ることにした 。長谷堂城跡(八幡口)からだと徒歩で20分ほど。山形県の百名山でもある「城山」を歩いてきた後でやや疲労感はあったが、時間的にはお昼時であったので急ぎ目に店へ向かったものの、店前に着いたら意外と待っている客が少ないことにやや拍子抜けしてしまった 。まぁ、そこにはちゃんと理由があったんだけど:
山の中で Surfboards?
麺屋ジュークDEZENOVE
古民家をリフォームした店の中に入ってみると(案の定)満席だった。目の前にあったノートを見ると、自分の前には五組ほど待っている客がいるようだった。はて?、どこかに待合室でもあるのだろうかと思ったが、どうやら車で来た場合、車のナンバーを伝えておけば店員が駐車場まで呼びにくるまで車内で待つことができるシステムのようだ。ただし自分のように徒歩できた客には特段に座るような場所は用意されておらず、店員が駐車場を往復している姿を横目に、店前でぶらぶらと待つことにした 。
30分近くたって入店。「お待たせしてすみません」の声をもらいながら大きなテーブルが4つある座敷へ案内された。既に注文する品は決めているが、一応は壁に掲げられていたメニューを眺める:
他に、季節ものや期間限定の品あり
決めておいた中華そば(790円)をストレート麺ではなく縮れ麺にしてもらい、さらに徒歩と待ちで予想外にお腹が減ってしまったので炙り豚飯(300円)を追加で注文した。「お漬物は大丈夫ですか?」と質問されたので大丈夫ですと返したら、ラーメンより先に自家製の漬物(大根の千枚漬け)をサービスして頂いた 。
そして出てきた中華そばは、まるで塩ラーメンのようなスープの中に一般的な中華麺がのぞく。トッピングはシナチク、ほうれん草、ネギ、そしてチャーシューがのっている:
中華そば(790円)
一口スープをすすると味は醤油系のようでコクもあって、麺と一緒にすすると味は関東でよくある醤油色の「中華そば」そのもの。食べていると程なくその「ギャップ」は解消され、最後まで美味しく頂けた。此の県で中華そばは珍しい系のラーメンなのか、昨日の店と同様に地元のオリジナリティが富んでいる感じがした。
「ストレート麺」または「縮れ麺」かを選択できる麺は一般的な中細麺で200g。大盛にもできるようだ:
スープと一緒に麺をすする🍜️
こちらが追加した炙り豚飯《アブリ・ブタメシ》。ラーメンに載せるものと同じチャーシューの塊と特製のタレ、そしてネギやゴマなどの薬味が乗っている:
炙り豚飯(300円)
このあとは大変な午後の時間を過ごすことになったので、今更ながらに、ここでしっかり食べておいて良かった。
巷のラーメンDBase のエントリはこちら。
山形県山形市長谷堂349
麺屋ジュークDEZENOVE
ここからはオマケ。
今回、長谷堂城跡へ向かう往きは公共交通機関を利用した。山形駅前からローカルのバスに乗って20分ほど。ただ事前に調べた時から分かっていたのだが懸念が一つ。この日は「往きの便」しか利用できないと云うこと。この路線は平日に比べて土日祝日の便数が極端に少なくなるため、この日も城攻めしたあとの時刻に山形駅方面へ「帰る便」が無い 。大型連休とか関係ない。他に利用できそうな路線がないか調べてみたものの、結局は分からずじまいで当日を迎えてしまい、先にバス会社の案内所に立ち寄って聞いてみたのだが、やはり帰りの時間帯には利用できるバスが無いとのこと 。勿論、ここまで来て城攻めを諦めることはできなかったので、帰りは90分かけて歩いて戻ってくる覚悟はしていた 。
しかしながら城攻めを終え、疲れた脚で歩いて戻ってくるのは身体に酷なので、ここ山形市で運営されているコミュニティ・サイクルに期待をかけて、事前に会員登録しておいた 。この電動サイクルは指定のポートに乗り捨てできるシステムで、駐輪時の施錠と解錠、そして支払いはアプリ経由で行うと云う、いかにも現代技術のトレンドに乗った「シェアサイクル」。ただ借りる際の充電率が気になるところ。基本的にバッテリーの残量は24Hリアルタイムに監視し、実際に昼夜を問わずバッテリー交換しているとのことだが、アプリ上に表示されるのは台数のみで充電量は表示されず、タイミング悪く十分な残量が無い自転車しか見つからないと利用する意味はない。それどころか近くにポートが見つからなければ充電量どころではない。したがって帰路の手段は依然として未定であり、徒歩を覚悟しなければならないことも変わらない 。
なんて考えているうちに長谷堂城跡に最寄りのバス停「長谷堂」に到着した。
こちらは長谷堂城跡の麓にある長谷堂城跡公園。城攻めはここからスタート。長谷堂城の歴史や會津上杉氏との攻防戦などの説明板の他に散策マップが置いてあった:
長谷堂城跡公園
公園奥が駐車場で、公園内にはトイレもある。
標高85mの城山山頂にある主郭跡:
主郭跡
こちらは主郭跡から北にある山形城(赤丸の中)方面の眺め:
主郭跡から北方面の眺め(拡大版)
その隣に見える高層ビルが山形駅前にある霞城セントラル。くどいけど、ここからそこまでは徒歩90分ほど・・・ 。
主郭下の帯曲輪跡から、會津上杉氏と激戦を繰り広げた長谷堂城攻防戦(北の関ヶ原)で、直江山城守が本陣(赤丸の中)を置いた菅沢山《スゲサワヤマ》方面の眺め。眼下に広がる田畑も古戦場跡:
長谷堂城古戦場跡
こちらは麺屋ジュークへ向かう途中、古戦場だった田園を歩きながら眺めた城山こと長谷堂城跡の西側):
古戦場跡と長谷堂城跡
大将の直江山城守、副将の春日右衛門、そして前田慶次郎らが長谷堂城を眼前にして軍議を開いたとされる清源寺前あたりから長谷堂城跡を眺めたところ:
清源寺前あたりから古戦場跡と長谷堂城跡
會津上杉勢が本陣を置いたとされる菅沢山(現在は沢泉寺の境内)へ向かっていくと見学者用の駐車場があった:
沢泉寺境内の下にある駐車場
そして會津上杉方の本陣跡と、寄手である上杉勢が見たであろう長谷堂城:
會津上杉勢(直江山城守)の本陣跡と長谷堂城跡
このあとは更に長谷堂城攻防戦の激戦地の一つ(朴ノ木屋敷)で討死した上泉主水らの供養碑などを巡ってきた。
この日に予定していた行程を完了したあとは(予定通り?) 歩き疲れて重くなった脚を引きずりながら山形市街の中心地へ向かった 。ある程度は覚悟していたので脚は重いが気持ちは沈んでいなかったが、午後から陽が出てきたこともあり、段々と疲労感が増しているのが分かった 。
この時は、いくつかのコンビニを経由地に決めて、そこまで歩いたら休憩して水分を補給し、また次の経由地を目指すと云った感じで歩いてきた。そして残りの道程《ミチノリ》が半分くらいのコンビニ前でアイスを食べながらポートを探してみると、徒歩20分先の公園にポートがあり、そこで6台の電動サイクルがレンタル可能と分かった 。
正直、今いるところから宿泊先までは40分ほど歩けば到着できるのだが、ひとまず立ち寄って確認するだけして、運良くそこそこの充電残量があれば借りるのも手だなと思い向かうことにした。公園に到着しポートにある自転車を調べてみると、そららの殆どが充電率50%以下。そんな中で100%の自転車が1台だけ見つかった 。これだと宿泊先に戻れるのは勿論、雨の予報である翌日に巡る予定にしていた最上義光公らの墓所参詣にも十分に賄えるなぁと思ったら、これまでの疲れはどこへやら。すかさずQRコードを読み込ませて解錠し、マップを開いて義光公の菩提寺である光禅寺までの経路を検索して向かっていた :
コミュニティサイクル@宿泊先最寄りのポート
こちらが光禅寺境内にある最上義光公の五輪塔。なんとか閉門前に到着することができた:
最上義光公の五輪塔
他にも義光の嫡男・義康公や悲劇の愛娘・駒姫の墓所にも参詣してきた。身体は完全に麻痺(?)し、レンタサイクルで走り回っている最中は疲労感を感じることはなかった 。
それでも翌日まで疲労を残したくは無かったので、夜は山形駅構内のお店でトンカツと芋煮汁でエネルギーを補充した:
金華特厚ロースカツ膳(3,300円)
芋煮汁(495円)
この翌日は朝から雨になったのでお土産や駅弁を買ったあと、早々に山形に別れを告げて帰宅した。
こちらは山形駅新幹線乗り場に展示されていたE3系の現行のつばさと初代のつばさの模型:
新旧のE3系つばさ
山形新幹線は、この年の春にE8系がデビューしているが、お目にかかることは無かった。
山形発で東京行きのE3系つばさ:
E3系つばさ
E3系つばさ
車内の三段階式の手洗いシステムと、トイレの注意書き。トイレは狭かった〜 :
左から三段階式の手洗器
トイレの注意書き
車内で頂いた駅弁はお隣は米沢市の「牛肉どまん中」(1,350円)。関東で云うシウマイ弁当に匹敵する名物弁当:
「牛、どーん」
牛肉どまん中(1,350円)
最後はデザート。山形の駅ビルで購入した串団子「じんだん」と「ごま」(各130円):
串団子(各130円)
「じんだん」とは枝豆の王様「だだちゃ豆」を餡にしたものらしい:
串団子「じんだん」(130円)
餡たっぷりの串団子
串団子「ごま」(130円)
餡たっぷりの串団子
と云うことで、この時のフォト集はこちら:
長谷堂城攻め (フォト集)
長谷堂城古戦場巡り (フォト集)
最上義光公・義康公・駒姫墓所 (フォト集)