観てきた。今季でもっとも期待していた作品 。
ホント、この監督は異なる国や地域の人間たちを同時進行で演出するのが巧い。そして、この作品の、映画を観た後ではなく、観ている最中に考えさせられるテーマがいい。
ウィルスの感染・潜伏期間・死亡率の時間的経過と、人間の思惑 (金儲けや自己中心的な考え)・恐怖心・とが同時に重なり合ってリアルタイムで進行する。それがアメリカと香港を中心に (ほんの少しだけ東京とロンドンも絡むが)。
豚インフルエンザや SARS といったパンデミックに対して、R-0/R-NOUGHT 理論が語られるシーンがある。1人の感染者が何人の人間に感染させてしまうかといった確率論 (Reproduction Number)。1人から2人、2人から4人、4人から16人・・・・といった2のべき乗だとR0は2という具合。映画では感染経路がはっきりしない未知のウィルスの段階でこの係数がドンドン上がっていく (= 死亡者が増加していく)。第三者的立場の人間 (映画を観ている自分も含めて) はこの数字に恐怖を抱き臨場感が揚がる心理をついた演出も秀逸。
ウィルスと (Twitter/Facebook などを経由して現状を伝えた結果) 恐怖心が同時に拡大感染していく現代的なセンスは、観る価値ありです。
最後に、人間とウィルスとの戦いの中で犠牲になっていったチンパンジーらの存在も忘れてはならないと思ったり。
My Rating: ★★★★☆ (4.5点)
Once in a blue moon.
Smuggler.
観てきた。
作品としては、全般的に何が言いたいのかよく分からなかった。
ここ最近の邦画の中では、キャストに惹かれてちょっと期待していた作品のだったのだけれど (この映画の原作は読んだことはないのだけれど、別の作品の一部は、一応読んだことはある。まぁ作画のタッチが印象的なくらいしか覚えていないが 。)
で、ストーリーもよくある多勢力の巴(ともえ)戦的な構図で追いつ追われつって感じ。そういう構図だと登場人物の個性(キャラクター)が売りになるわけで、この作品の場合まぁわりとよくあるパタン(ヤクザと殺し屋と主人公他)でした。
映像の方ではだらだらと続く砧の拷問シーンや、それはないだろうっていう感じの丈と背骨の一騎打ち、ストップモーション+液体の多用が気になった。
作品としてははそんな感じだったけれど、良かったのは俳優人それぞれの演技。特にあくが強く特異な性格を持っている登場人物を演じた俳優はみな素晴らしかった。女優陣も含め、アジア人もなかなかやるねぇって感じ。なので評価はボーナス付き。
My Rating: ★★★☆☆ (3.0点プラスボーナス0.5点)
Cawboys and Aliens.
いろいろ観たい作品が今月末から来月あたりに集中しているのでちょっと気合い入れていかないと 、ということで、まずはこれを観てきた。
自分の場合、この映画の原作であるアメリカン・コミックなんかは見たことはないし、特に予備知識もなく、単にかなり昔に観たみた予告映像が頭の隅に残っていたイメージとして、なんとなく西部劇とSFのアンバランスさに惹かれて選んでみた作品だけれど、まぁ普通に楽しめる大衆娯楽映画でした。
原作ではカウボーイとネィティブ・アメリカン(インディアン)と極悪エイリアンの三つ巴の戦いだそうで、一応この作品にもネィテイブ・アメリカンは登場しますが、普通の西部劇にあるよくある構図って感じで、経緯が端折られても特に違和感はなく受け入れられた (若干、そのあたりのストーリー展開はやや中だるみな感あり)。
007 Casino Royale で好演した典型的英国人である Daniel Craig がこれまた典型的なアメリカンを演じるのはどうかなと思ったものの、西部劇の主役には必須な寡黙で強くて、それでいてやさしい性格はぴったりだった。
My Rating: ★★★☆☆ (3.5点)
Rise of the Planet of the Apes.
観てきた。
実は、小学生の頃にテレビで観た C.Heston 主演の猿の惑星(68) からの隠れファン。T.V シリーズも好きだった。同じ頃 (だったと思う)、ハルクやスタートレックやギャラクティカなんかよりも暗くて怖くて印象的で好きだった。
一つ前の Tim Burton 版も entertainment な作風で悪くなかった。
で、今作は強引だけどストーリーは良かった。観れば分かるけど、全体的にCGのオンパレードなんで特に映像は良くも悪くもなく、総合的にはおすすめの作品です:
ちなみに、未だ観ていない人はエンディングに入っても席を立たないように。
My Rating: ★★★★☆ (4.0点)