Captain Phillips.

今月の映画の日に観てきた (激混みだったので、朝一で行ってよかった :))。
4年前に実際にソマリア沖で海賊に襲撃されたコンテナ船の船長の回顧録をベースとしたフィクション。自分も当時 CNN なんかでニュースを聞いていた覚えが有る。どちらかというと、SEALs が激しく揺れる海上で寸分狂わぬ snipe を行った救出劇というかヒーロー物か、ぐらいの記憶だけど。
で、これを観て実際の主役は SEALs ではなく、船長の Richard Phillips と海賊たちだったということが何とも感慨深く、映画というエンターテイメントとして楽しめた作品。
冒頭の、船長が現代の歪んだ情勢 (貧富の差) と将来への不安 (自分たちの世代が作ったツケをこれからの若者達に押し付けざるを得ない遣る瀬無さ) を口にしつつ航海の途に出るシーン、そしてその地球の反対側で漁師では喰っていけない海賊予備軍の若者たち。共に搾取する者達 (国や政府/海賊たちのリーダー) の下で生きていかないといけない宿命の中、お互いの立場で相まみえるという構図。海賊が悪いのか、海賊を生み出すことになった社会が悪いのか。
見終わった後感じたのは、まずオーディションで海賊役を得た役者らの演技がうまい。ずる賢いリーダーは米軍との交渉にあっさり騙されるという素直さを持ち、彼としょっちゅう衝突するサブリーダーは残忍で典型的な悪者、そして次第に Phillips に同情していく善悪を知らずに育った下っ端の少年 (と、あまり出番のない救命ボートのドライバ)。それぞれがうまい演技だったので、海賊に同情したくなる気もなくはないという感じ。
そして、上っ面の善悪を強力な武力でしか正していくことができない現代社会の矛盾さなんかを感じとれる作品で、こういった貨物船の海賊対策とか、かなり緻密な考証をもった感のある映像でした:
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あと、SEALs って人質交渉の技術も持っているんだなぁと関心した8)
My Rating: ★★★★☆ (3.8点)

風立ちぬ.

遅ればせながら、先週観てきた。本当は足を運んでまでも観るものか悩んだんだけれども。
で、個人的には思い出したくないことを思い起こさせる嫌ぁな作品だった。あとラストで、逝ってしまった人 (菜穂子) が生きている人 (二郎) に「生きて」って語りかけるシーン、こんなに苦しく辛い言葉はないな。あのセリフは必要だったのだろうか :/:
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それでも宮崎ワールドのキャラクターは心に残る (カリオストロから)。
でも、やっぱり観ていて辛いので:
My Rating: ★★☆☆☆ (2.0点)

The Counselor.

先々週、観てきた
邦題の「悪の法則」って意味がわからなかったのでどうかと思ったけど R.Scott 監督だということで劇場まで足を運んだ。
世界で最も (個人的には世界で一番) 危険な街の Ciudad Juárez (シウダー・フアレス) を舞台に、人間模様(?)を演出した作品。名の通った俳優陣が無残に殺されていくのはショッキングかも。その殺され方も、直接的な映像は少ないけど、あらかじめ説明されているので観る側のイマジネーションで残酷さが異なる気がする。
とにかく地球の裏側ではこんな殺戮が日常茶飯事に起きている事実と金持ちの欲とか赤裸々に描写する演出さすがか。でも人によっては冒頭のセリフや合間に入る sexual なシーンは不快かも。なので、一緒に観に行く人は選んだほうがいいです :/:
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個人的に残念だったのが、歳をとった Penélope Cruz。若い頃の面影は何処に…:(
しかし、この México にあるシウダー・ファレスって街は半端ないな。コカイン戦争のまっただ中で金と麻薬のためなら老若男女関わらず殺人・誘拐・暴行を行うメキシコ人は、本作中にも語られているように「人間とは別の種族」そのもの。Google でも「娯楽のために実際の殺人現場を撮影する映画」という意味のキーワードと「メキシコ」とで画像検索するだけで ogrish な結果が返ってくるし。
そういうことで作品の評価というよりも、観た後の気の重さから
My Rating: ★★★☆☆ (3.0点)

Kiyosukaigi, etc.

清須会議
先週の勢いそのまま、初日に観てきた
構想40年以上豪華キャスト総勢26名セットにはお金がかかっているという前評判をして、今回も三谷ワールドの「喜劇」を期待していったのだけれど、あっさり裏切られた完全な素の時代劇でした :|。実は文庫本を「四日目」ぐらいまで読んでいて、これは喜劇だなぁと頭ごなしに思っていたのが災いか。監督本人曰く、ストーリー以外 (セットとか小道具とか衣装とか) が見どころだったということもあり、小説よりも淡々と話が進んでいってしまい、(文庫本では読んでいない) 結末もあっさり歴史的事実で終わらせていたのも面白みを落としていたような。いやまぁ、ところどころ吹き出しそうなシーンはいくつかありましたが…。
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それでも女性陣 (鈴木京香/中谷美紀/剛力彩芽) らの演技は良かった。男尊女卑の戦国の世でありながら、完全に男共を喰っていたというか。小説の方がもっと「面白い」ですが。
どちらかというと年末にやる二夜連続・時代劇スペシャルといったレベルかな。
My Rating: ★★★☆☆ (3.0点)

あと、先々月の地方で見た
White House Down
大味すぎて脂っこくて観た後に胸焼けを起こしそうになった…。CG使えば何でもできるぜィ、って感じがかなり不快だった映画:
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しかし、いくら黒人大統領だからって Jamie Foxx ってのはどうだろうか。あと主演の奴もいまイチ。
本作は自信を持って
My Rating: ★☆☆☆☆ (1.0点)
です。

Arts for entertainment.

ここ一ヶ月ほど映画館には足を運んでいないものの、思い立って何かの番宣でみた記憶のあった上野の森美術館で開催中の「種田陽平による三谷幸喜映画の世界観展」を観てきた。
どちらかと言うと、三谷幸喜作の映画はよく観ている方かな。
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種田氏と三谷氏との映画との関わりあいは、上のリンクの説明にあるとおりで、種田氏は三谷代表作以外にも Q.Tarantino 監督作の の Kill Bill の例の GOGO 夕張らヤクザ連中と戦うバーや中国で有名な作品のセットなんかも作っているらしい。「ザ・マジックアワー」の街をセットで作り上げるところなんか、種田氏はエンターテーメントに対する美術者の原点を良く理解しているんだなと感じた。観るる側と撮る側の両方の視点から作られたセットは、なんとも合理的でそれでいて記憶に残るというか。シネスコープ版ということで横に長く縦に短いセットを作るとか、奥行きを絵で表現するとか。

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左の「ステキな金縛り」に出てきた裁判員席は、シネスコの高さいっぱいに高低差を付けて威圧感を与えているんだそうで。右は来週公開の「清須会議」の舞台となる清須城の模型というか外観。この城の一階部分が実際のセットとして作られた。
三谷作品は撮影裏話的に本人がセットを紹介する特典映像が作られており、この展示会でも紹介されていた。
この後は上野恩賜公園を散策。スタバでは行列に並んでみた。結構いい感じ。それから不忍池経由で④昭和通りまででてみた。この辺りを歩くのは何十年ぶりか。この感想を一言でいうと「とても綺麗になった:) です。