東京国立博物館 展示 #7377、#7274 etc. − TOKYO NATIONAL MUSEUM 2024.

先週末は令和6(2024)年の立春の候を過ぎた最初の三連休の初日[a]【今日は何の日?】ふとんの日、ふきのとうの日、豚丼の日(すべて 2と10の語呂合わせから)。永享の乱で鎌倉公方・足利持氏が自刃した日(旧暦)。に、栃木県にある城跡を攻め、本場モノの讃岐うどんを食べての帰宅途中に、今年初の東京国立博物館へ立ち寄って鑑賞してきた。

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閉館間際の本館

当時は目玉の特別展があったり、海外からの観光客も押し寄せるなどあって、閉館前二時間くらいの観覧ではあったけれどかなり混んでいた :|。今回、鑑賞した総合文化展[b]料金は大人1,000円(当時)。は:

  • #7377:本館2階5室・6室の「武士の装い」:2024年2月6日(火)~ 2024年4月2日(日)
  • #2639:本館2階4室の「茶碗」:2024年1月2日(火)~ 2024年3月10日(日)
  • #7273:本館1階13室の「刀剣」:2024年1月2日(火)~ 2024年3月3日(日)
  • #2613:本館1階11室の「彫刻」:2024年1月2日(火)~ 2024年4月7日(日)

全体的には昨年に鑑賞した作品が主であったが、その中で「刀剣」の展示では國寳に指定されている「天下五剣[c]江戸時代、日本刀の中で特に名刀と云われる五振りの総称。」の一つを人生で初めて鑑賞することができたし、「武士の装い」では昨年、岩手県の盛岡まで足を運んで鑑賞してきたにゆかりある御仁の肖像画[d]原本ではなく模本ではあるが 😅️。を鑑賞できたのは収穫であった 8)

まずは甲冑。こちらは樫鳥糸肩赤威胴丸《カシドリイト・カタアカオドシ・ノ・ドウマル》(重要文化財)。室町時代(15世紀)。陸奥三春藩・秋田家の伝来品:

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樫鳥糸肩赤威胴丸

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樫鳥糸肩赤威胴丸

胴に兜と大袖を備えた三ツ物皆具《ミツモノカイグ》の胴丸で、兜は総覆輪筋兜《ソウフクリン・スジカブト》で正面に鍬形を飾り、上級武士の権威を象徴した重厚かつ豪華な造形を持つ。

こちらは黒韋肩白威胴丸《クロカワカタジロオトシ・ノドウマル》(重要文化財)。南北朝時代(14世紀)。加賀藩・前田家の重臣の一人、長《チョウ》家の伝来品:

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黒韋肩白威胴丸

全体を黒韋威とし肩を白糸威とし、棟に杏葉《ギョウヨウ》を下げている。

そして色々糸威腹巻《イロイロイトオドシ・ハラマキ》(重要文化財)。室町時代(15世紀):

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色々糸威腹巻

全体は茶糸と紅糸と白糸を交互に威して華やかな配色であり、胴の胸板、脇板や壺袖の冠板の金具廻を藻獅子韋《モジシガワ》で飾った上に、要所に枝菊紋の飾金具を配す。

兜は既に昨年鑑賞しているものしかなかったが、その中から紺糸威筋兜《コンイトオドシ・ノ・スジカブト》の一頭。室町時代(15世紀):

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紺糸威筋兜

鯨の髭製を束ねた菖蒲形の前立を飾り、鳶口形の鼻を持つ面具を備えている。

そして黒田如水像《クロダジョスイ・ゾウ》の模本。これは昭和時代の作で、原本は如水が亡くなった三年後に嫡子の長政が作らせた[e]こちらは福岡県福岡市の崇福寺が所蔵しているとのこと。

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黒田如水像(模本)

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黒田如水像(模本)

如水は織田信長、豊臣秀吉、徳川家康に仕えた戦国武将の一人。頭上には、如水が帰依した京都・大徳寺の僧・春屋宗園《シュンオク・ソウエン》による賛文が記されてる。

こちらは青井戸茶碗・土岐井戸《アオイドチャワン・トキイド》。朝鮮時代(16世紀)。「井戸茶碗」は高麗茶碗の主流の一つで、すっきりと直線的な形状が特徴:

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青井戸茶碗・土岐井戸

刀剣としては、まず國寳の太刀・三条宗近《タチ・サンジョウムネチカ》。名物・三日月宗近《メイブツ・ミカヅキムネチカ》とも。平安時代(12世紀):

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太刀・三条宗近

宗近は京三条の刀工で、本作はその代表作で、手元が強く反った細身の刀身に、三日月のように見える打除け[f]焼入れの際に刃中に現れる模様のこと。を映す刃紋を持つ(赤丸の中にある破線のように見える模様):

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三日月のように見える打除け(赤丸の部分)

この太刀に付属する梨地菊桐文蒔絵糸巻太刀鞘《ナシジ・キクキリモン・マキエイトマキ・ノ・タチノサヤ》。江戸時代(16世紀)。この糸巻太刀の鞘には金蒔絵で豊臣家の菊桐紋を描き、帯執《オビトリ》の太鼓金《タイコガネ》には雲形と三日月を飾る:

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梨地菊桐文蒔絵糸巻太刀鞘

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金蒔絵の菊桐紋

この太刀・三条宗近は、豊臣秀吉の正室・高台院《コウダイイン》[g]北政所、おね(ねね)はよく知られた呼び名。の遺品でもあり、のちに徳川将軍家に伝来し、天下五剣の一つとなる。

こちらは黒漆太刀《コクシツノタチ》。鎌倉〜南北朝時代(13〜14世紀)。鎌倉時代に多く用いられた太刀拵《タチ・ゴシラエ》:

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黒漆太刀

毛利輝元から小笠原氏に贈られたもので、柄《ツカ》は鮫着黒漆塗《サメキセクロウルシヌリ》に黒韋巻《クロカワマキ》とし、小笠原家の家紋である三階菱紋《サンガイビシモン》の目貫《メヌキ》を飾る:

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目貫は小笠原家の家紋である三階菱紋

光り輝く漆が目につく、こちらは潤漆千段巻塗打刀《ウルミウルシ・センダンマキヌリ・ウチガタナ》。江戸時代(19世紀)。郷義弘の拵《コシラエ》:

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潤漆千段巻塗打刀

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潤漆千段巻塗打刀

鞘全体に多数の凸凹を平行に付けて、表面を漆塗とする千段巻塗で、目貫、笄、小柄には水仙、縁頭には葵紋と六つ葵紋を飾り、葵紋透鍔が付けられている。

これは越前国・朝倉氏景(またはその一族)の所用で、敵の籠手を一刀したことが銘の由来になった、刀・伝相州正宗《カタナ・デン・ソウシュウマサムネ》。名物・籠手切正宗《メイブツ・コテギリマサムネ》とも。南北朝時代(14世紀):

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刀・伝相州正宗

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のちに織田信長が所持して磨上げ、その後は近習の大津伝十郎長昌《オオツ・デンジュウロウ・ナガマサ》が拝領した。

最後は彫刻の作品からいくつか。武家が武運を願い崇敬を集めた八幡神《ヤハタノカミ/ハチマンシン》像。モデルは第十五代天皇である応神天皇《オウジンテンノウ》とも。島根県の赤穴八幡宮に伝わる、慶覚(鏡覚)《キョウカク》作の八幡三神坐像の三体が展示されていた。

まず大和朝廷の守護神でもある八幡神坐像《ハチマンシンザゾウ》(重要文化財)。鎌倉時代(12〜13世紀):

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八幡神坐像

二体目は息長足姫坐像《オキナガタラシヒメザゾウ》(重要文化財)。鎌倉時代(12〜13世紀)。息長足姫は応神天皇の母・神功皇后とされている:

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息長足姫坐像

三体目は比売神坐像《ヒメガミザゾウ》(重要文化財)。鎌倉時代(12〜13世紀)。比売神は特定の神ではなく、神社の主な祭神と関係の深い女性を指すと云われる:

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比売神坐像

最後は千手観音菩薩坐像。南北朝時代(14世紀)。十一の頭上面をいだき、合掌する二本の腕と四十本の脇手《ワキシュ》を表す:

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千手観音菩薩坐像

「千手」とあるが、実際は腕の数を省略した姿が一般的なのだとか。像はもちろん、台座や背後の光背に至るまで精美な彫刻になっている。

今年も時間を作って観覧しに行こうと思う =)

と云うことで、この時のフォト集はこちら:

See Also2024年2月 東京国立博物館 (フォト集)

参照

参照
a 【今日は何の日?】ふとんの日、ふきのとうの日、豚丼の日(すべて 2と10の語呂合わせから)。永享の乱で鎌倉公方・足利持氏が自刃した日(旧暦)。
b 料金は大人1,000円(当時)。
c 江戸時代、日本刀の中で特に名刀と云われる五振りの総称。
d 原本ではなく模本ではあるが 😅️。
e こちらは福岡県福岡市の崇福寺が所蔵しているとのこと。
f 焼入れの際に刃中に現れる模様のこと。
g 北政所、おね(ねね)はよく知られた呼び名。

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