その昔に購入した『超ワイド&パノラマ 鳥瞰イラストでよみがえる歴史の舞台』(Gakken)はお気に入りの絵本の一つで、歴史の教科書に出てくるようなイベントやその舞台となった場所を精密に、それも俯瞰した角度で描いたイラストが多数収められていて、パラパラと眺めているだけで十分に楽しめる一冊。特に合戦場の描写なんかは実際の跡を訪問した際に重ね合わせながらイメージするのに役立つし[a]現在、当時の姿が完全保存されている合戦場跡なんかは無いので、現地にある石碑や復元物だけでは臨場感が掴めないって云うのが実際の印象である。。
この本に収録されているイラストの作者の一人、香川元太郎氏の個展が関東近郊で開催されることを知り、昨日は令和3(2021)年の梅雨晴れ[b]単に天気予報がハズレただけだけど。の週末に行って来た(ポスター内のイラストは上が讃岐国高松城天守、下が飛騨国松倉城):
混雑を避けて昼をかなり過ぎた頃に最寄りの福生駅に到着。まずはこのあいだ初めて食べた餃子屋のチェイン店が駅前にあったので、そこで腹ごなしをして会場である近くの画廊へ向かった。エレベータをおりて入室し手の消毒と検温を終え参加者名簿[c]名前と住所と電話番号。特に説明はなかったが 😥 。に記録してから観賞。この時は自分の他に4、5名のゲストがいた。
香川先生が描いた城のイラストは書籍やインターネットではおなじみだし、先日ブログした「太田道灌と江戸城」パネル展の江戸城(全体想像図)も先生の作画だ。とは云え、実物を拝見するのは初めてなので会場に展示されていた30枚のイラストをしっかりと時間をかけて「堪能」してきた。いや〜、ホント丁寧に細かく描かれたイラストなので、拡大鏡を持っていって良かった〜。自分が城攻めした城もあって、往時の記憶とオーバーラップさせながら眺めることで二倍楽しめた感じ 。
幸運にも会場には香川先生がおられ、なんと声をかけていただき、実際に「城を描く作業とその実演」を見せていただけることになった。題材は、自分も七年前に攻めてきた小机城。イラストを描く作業を初めてみたが、先生の場合は忠実と正確さを重視しているようで、この小机城を描くにあたり、「縄張リスト」の西股総生氏から提供された復元縄張図を参照し、そこに記載された「高度」別に城の構成物を下書きしていくらしい。この時点で人や塀なんかの種類も決まるのだそうだ。この下書きを西股氏や編集者に確認してもらい、その後に本書きとなる。その原画をコンピュータに取り込んで城郭以外の草木や建物をソフトで置いていってイラストを完成させていく。この小机城が完成するまで一週間もかからないとのこと。描き方は先生が独学で習得したものらしい。話を聞いて城郭の描き初めの構図と俯瞰(遠近と高度)が重要だと云うことが分かった[d]例えば主人公となる城の遠くに敵の城を描くことで、見ている城に関する背景や事情も汲み取ることができるなど。。小机城の場合、城の上に鶴見川(とその河川敷)を描き入れるために、城郭と川が共に視界に納まるように位置を決めたようだ。
いや〜、このような描き手の考えを知ったあとに、もう一度作品を眺めていくと三倍楽しむことができた 。
せっかくなので『ワイド&パノラマ 鳥瞰・復元イラスト 日本の城』(Gakken)を購入[e]某ネット本屋に比べると驚くほどお得だった 😉 。:
さらに先生直筆のサインも頂いた。宝物です :
梅雨のシーズンであり、再び COVID-19 感染拡大の予兆がでてきたこの時期、遠出して城攻めにはなかなか行けないが、先生の描いた「城を攻める(眺める)」ことで気が紛らすことにしよう 。
福生画廊
東京都福生市本町42 マサビルB館3F
ここからはオマケ。
二度目は福生西口店で。前回同様にダブル餃子定食(650円)+水餃子3個(200円)+生ビールグラス(360円)を注文した:
今回は焼き餃子が火傷しそうに焼けていて美味しかったが、逆に前回絶賛した水餃子は冷たくて乾いていてダメダメだった :
この店でも「らんちゃん」は健在だった:
個人的には、まだ『3割うまい!!』は認めていないが 。
ぎょうざの満州・福生西口店
東京都福生市本町142福田屋ビル1F