平成31(2019)年4月30日に御退位が決まっている天皇陛下の最後の新年のお言葉を直接拝聴するため、一年ぶりに正月2日の皇居で開催される「新年一般参賀」に行って来た。あとでニュースを見たら平成の時代では最多となる15万人を超える参拝者があったそうで、従来まで5回のお出ましが陛下の心遣いにより7回に増やされたのだとか。まことに有り難いことである 。
今回は一応は例年よりも混むことを予想して、前々回と前回よりも一時間ほど早めに皇居へ到着するように予定を組んだのだけれど、最終的に宮殿東庭で両陛下と対面した位置は前回よりもうしろだったような気がする 。まぁ、それでもちゃんと「生」のお言葉を頂けたし、ズームで写真にも収めることができたと言うことで、平成の時代の良い思い出になった
。
ちなみに自宅を出たのは朝6時前で、東急目黒線で日比谷駅に着いたのが朝7時。改札を出てB6なる出口から地上へ上がると江戸城の馬場先門(ばばさきもん)跡には既に行列ができており、警備課の警察官からは通りを挟んだ反対側(写真では右手)で行列するよう促していた:
例年までは楠公レストハウス側にできた行列に並んでいたが、この時間はまだ行列が存在していなかったので激混み状態の公衆トイレを横目に馬場先門跡の通りを渡り、内堀通り(都道R301)の二重橋前交差点右手の行列に並ぶことにした:
この行列にはなんだかんだ一時間ほど並んでいた。早朝ということもあり、かなり冷え込んでいたが使い捨てカイロ4個で防寒していたので、特に難儀することはなかった。
一方、最初に行列ができていた通りの反対側を眺めと早朝7時くらいでこんな感じ。ただこの行列は最初に見たよりも長くなっているように感じた:
通り脇の花壇に植えられた見事な松も、この日のために整備されていたようだ:
右翼の宣伝カーも徘徊していたが、流石に大音声ではなかった :
行列して30分経った頃に通りの反対側の行列が動き出した。先頭の集団は例年みかける宗教団体:
それに遅れること20分後に自分が並んだ行列も動き出し、「二重橋前」交差点を渡って反対側の行列の後ろに合流することに。ただし一気に渡れないので何回かに区切られて渡った:
一方、最初に動き出した行列は内堀通りを渡って手荷物検査・身体検査場へ向かっていた:
自分の行列も内堀通りを渡り西の丸跡へ。内堀通りは完全に通行止めであり、行列を監視し参拝時の注意事項をアナウンスするために「DJポリス」も出動していた:
内堀通りを渡って西の丸下跡へ入るとセキュリティ上のチェックポイントが二箇所あり、そこを通過して新たにできた行列に改めて並ぶことになる:
こちらがチェックポイントを抜けて新たに出来た行列で、それぞれ番号札が立てられているのは例年と同じ。ここで、皇居が開門するまでの一時間半ほど立ったまま待つことになる:
この場所には他に、例年自分が並ぶ桜田門側から移動してきた行列と坂下門側から移動してきた行列が集合する:
そして朝9時半に皇居が開門すると、順番に行列が移動を始めた:
しばらくして自分が並んでいた7番の行列も二重橋へ向かって移動を開始した。
移動しながら左手の桜田門側の行列を眺めたところ。その背後には公安調査庁・東京地検のビル(中左)と桜田門こと警視庁(中右)、総務省(中右奥)が見える:
坂下門側は三つのグループのうち一番最後の移動になるため、依然として動きなし:
二重橋(正門石橋)、通称めがね橋を渡って、皇居の正門にあたる西の丸正門へ向かう:
これは橋の上から二重橋(正門鉄橋)と伏見櫓を眺めたところ。原則的に立ち止まって写真を撮ることは不可。ただし長い行列だから移動が静止することもあるので、そのようなタイミングで写真を撮れば注意はされない:
西の丸正門をくぐりコの字型に曲がって二重橋(正門鉄橋)を渡る。この先に宮殿がある:
正門鉄橋上から右手の西の丸下方面を眺めたところ。まだまだ多くの参拝者が待機しているのが見えた:
同じく正門鉄橋上から左手を見ると江戸城で最も美しい櫓である伏見櫓が見えた。三代将軍・家光の時代に京の伏見城から解体して移築したという話が伝わるが、一切の証拠となる文書は存在していない:
そして行列に並んでから四時間近くたって、やっと宮殿東庭に足を踏み入れることができた:
すでに数千人規模の参拝者が入っているはずで、遠目に見ると宮殿前はそれほど人が多いように見えないが・・・、天皇・皇后両陛下と皇族の方がお出ましになるバルコニーのような長和殿前は流石に多い:
自分は長和殿前に向かって左側へ移動し、両陛下を斜めから拝見できる場所を見つけた。しかし昔の写真を振り返って見てみると、今までの参賀で一番うしろ側の位置だった :
とにかく自分より前に背の高い人が居ない場所を見つけることがコツだけど、実際は皆、スマフォを頭の上に掲げてしまうのでそれだけでは正直なところ心もとない 。今回も一眼を持ってきたので試しにライブビューモード[a]いわゆるファインダー越しではなく背面液晶越しに撮影できる片手モードのこと。で撮ってみたけど、腕を伸ばしてしまうと実際にちゃんと写っているかは運次第となる。失敗をフォローするように連射することも可能だが、今度はフォーカスを当てるのが難しい。
仕方がないので脇に人影は写ってしまう可能性は高いがファインダー越ごしに望遠で撮影することにした。
そして一回目のお出まし時間である朝10:10分近くになるとアナウンスが流れ、そろそろのお出ましとなると一段と緊張が。周囲はそわそわしたり、「見える」「見えない」なんて言っている人が大勢いた。
と、そんな瞬間に前方で「わぁ」と歓声が上がると日の丸の旗を振りはじめたり、スマフォを掲げたりし始めた:
ついに平成最後の一般参賀が始まった:
天皇・皇后両陛下に向かって左手は高円宮家(承子女王さま、憲仁親王妃久子さま)、常陸宮家(正仁親王妃華子さま、正仁親王殿下)と皇太子夫妻(皇太子妃殿下雅子さま、皇太子殿下)、右手は秋篠宮家(文仁親王殿下、文仁親王妃紀子さま、眞子内親王さま、佳子内親王さま)と三笠宮家(崇仁親王妃百合子さま、寛仁親王妃信子さま、彬子女王さま):
こちらが、この時に拝聴した天皇陛下のおことば:
“新年おめでとう。
晴れ渡った空の下,皆さんと共に新年を祝うことを誠にうれしく思います。
本年が少しでも多くの人にとり,良い年となるよう願っています。
年頭に当たり我が国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります。”
手を振って参拝客にお応えくださる天皇・皇后両陛下と皇族の皆様方。参拝者の中からは「ありがとうございました。」といった感謝の言葉に加えて「お疲れ様でした。」という掛け声が一番多かった気がした:
両陛下と皇族の方々がバルコニーからお退がりになっても、前方では「バンザイ」が響いていた。
そして10分後には第一回目のお出ましが終了し、ここから参拝客の「大移動」が始まるわけだが、自分が居る位置は一番奥なのでまったく動く気配がない:
どうやら動きがないのは一回目に続いて二回目を良い場所で見ようとして退出せずに居座る参拝者がバルコニー前に居たためで、そのうち脇側から徐々に動き出した:
退出門は例年同様の乾門と坂下門と桔梗門の他、今回から大手門を加えた四ヶ所で、宮内庁前から分岐していく感じ:
こちらは坂下門へ向って退出していく参拝者:
自分は、このあとに将門塚にて初詣をする予定だったので桔梗門から退出することに。
こちらはその途中に見上げた富士見櫓。平時は見ることが出来ない現存建築物を拝めるのも、この日の特典である:
桔梗門から退出する参拝者。この先には公衆トイレがあった:
こちらは枡形門である桔梗門から退出し桔梗濠ごしに眺めた桜田二重櫓。さらに濠には警視庁第二機動隊員らがボートから警備[b]それとも談笑?していたのも例年通り:
こちらは濠ごしに眺めた西の丸下。まだまだ二回目以降のお出ましに行列をなす参拝者で一杯だった:
このまま内堀通り沿いに大手門方面へ。一昨年までは退出門ではなかったが、今回はその一つになっていた大手門。そして濠の中で、この平成最後の一般参賀を警備していた皇宮警察所属[c]嘘です。の白鳥:
このあとは大手門前をとおって、毎年の恒例の将門塚にて初詣:
最後は、東京メトロ大手門駅へ向かう途中に見かけた大学箱根駅伝の幟。復路は、この翌日の1月3日だった:
その他の写真や大きい写真はこちらから: 新年一般参賀2019 (フォト集)
ピンバック: 大黒家天麩羅 − The first Asakusa visit in 2019. | Mikeforce::Today
ピンバック: 得正 森ノ宮店 − A Very Good Curry Of Japanese Noodle Shop At OSAKA. | Mikeforce::Today