元祖・輪箱飯 田季野 − A Bag Lunch using Aizu Traditional Craft.

一昨々年(さきおととし)は平成27(2015)年の初秋に自身初の「奥州攻め」として、シルバーウィークを三日間の日程で福島県内に残る城跡を巡ってきた。
二日目は、今回の城攻め旅行の目玉である會津若松城。この日は、06:30には郡山駅から徒歩15分ほどの宿泊先をチェックアウトして07:00少し前のJR磐越西線の快速・会津若松行に乗車。猪苗代湖をほんの少しだけみて、猪苗代駅近くの直線で雄大な磐梯山を眺めつつ終点の会津若松駅には08:00ちょっと過ぎに到着した。駅舎を出て外にあるコインロッカーに宿泊用の荷物を預け、用を足してからそのまま駅舎の北端にある駅レンタカー会津若松営業所へ。ここで電池きのママチャリをレンタルした(1日1,500円/当時)。城攻めする前に蒲生氏郷公ゆかりの寺院を含む城下町の散策へ。
予定では會津若松城があった鶴ヶ城公園を巡る前にお昼を摂っておこうと思っていたけど、いろいろ散策していると予定をかなりオーバーしてしまった上に、この日の会津若松は見事な秋晴れということもあって観光客がものすごかった。なので、お昼どきならば人が少なくなるのではと淡い期待をして巡ってきたのだけれど大ハズレ。ホント、大勢の観光客で溢れ返っていた :O。運良く(?)「会津まつり」開催日にあたって、公園内外でのイベントが多かったので仕方がなかったが。

ということで城攻めの合間にお昼を摂ることに。最初は公園の目の前にあった蕎麦屋にしようかと思ったけど、せっかくなので会津若松市の郷土料理の一つである「輪箱飯(わっぱめし)」の老舗店である元祖・輪箱飯の田季野へ。着いたのが14:00過ぎだけど、有名店でもあるので入れなかったらどうしようかと心配をしたが、一人だったので直ぐにカウンター席に通してもらえた:

割烹・会津料理の田季野

もともとは尾瀬の玄関口にあたる南會津の山に入る男たちが「曲げわっぱ」を弁当箱にして持ち歩いていたことにヒントを得て、これと会津の食材を活かした料理を「輪箱飯」として提供したのが始まりだとか:

さじ袋

さじ袋に描かれた昔話

で、注文したのは「五種輪箱飯」と、それが出てくるまで喉の乾きを癒やすためにグラスビールを :D
そして出てきた輪箱飯は、桧を曲げた器に鮭に蟹、そして山菜が会津米の上に載せられて蒸しあげられたもの。それに前菜二品と香の物、そして味噌汁がつく:

五種輪箱(1,840円)

独特の醤油味の出汁につかった肉厚の鮭と御飯がよく合うし、ゼンマイとキノコが蒸せられて良い香りだった :)

肉厚の鮭の一身と山菜が会津米の上に載っていた

箸休めで肉ゴボウと若芽の酢物、そして浅漬。こちらも輪箱に入っていた:

前菜と香の物

この日は朝が早かったことと、ほとんど歩くかチャリに乗っているかだったので、勿論ペロリと完食してしまった:D

会津伝統工芸の一つである曲げわっぱ

これなら少しくらい冷めていても、きっと美味しい弁当だったんだろうなと想像してしまった。

元祖・輪箱飯・割烹・会津料理
田季野
会津若松市栄町5-31(鐘つき堂小路)


ここからはオマケ。

まずは郡山から乗車したJR磐越西線719系「あかべぇ塗装」。会津若松駅にて。正面の他に側面にも「あかべぇ」が描かれていた。ハリボテのあかべぇは改札口脇に展示されていた:

磐越西線719系「あかべぇ塗装」

ハリボテのあかべぇ

次は、この日の一番の功労者であるレンタルの電動ママチャリ。一日レンタルと云っても実質は9時間ほどだけどバッテリー消耗も少なく、いやーぁ、ホントに必須のアイテム;):

今回レンタルした電動自転車

こちらは會津若松城の天守で、蒲生氏の時代の七層七階の望楼型ではなく、その後に入城した加藤氏による五層五階の層塔型天守を、昭和の時代に鉄筋コンクリート製で外観だけ復元したもの:

外観復元された天守(拡大版)

ちなみに蒲生氏郷公が築いた天守は、公の死後に會津地震で傾いてしまったので、加藤明成が作りなおしたものが幕末の會津戦争まで使用された。

この日の会津若松市は本当に大勢の観光客がいたが、どうやら恒例の「会津まつり」が開催されていたようで、ここ鶴ヶ城公園では会津藩公行列の出陣式が執り行われていた:

帯郭跡に集まっていた行列参加者

会津藩公行列の出陣式

しかし、この絵を見て素直には楽しめない。會津戦争では子ども達も参戦していたのは承知の事実であるが、子供を戦争に駆り出すようになってはおしまいである。古今の歴史上で勝ったと云う話を聞いたことがない。子供は将来のために残しておくべきであり、大人共が負けを認めて責任をとるようにならないと国は存続しない。それなのに先の大戦でも日本では学徒出陣があった。『愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ』の一言に尽きる :|

こちらは福島県の開花基準となる桜の木らしい:

桜開花の基準木

再び天守。最初は瓦は黒であったが、保科氏の時代に冬にも強い赤瓦に葺き替えられた:

天守

このような赤瓦葺きの天守を持つ城は江戸時代にまでいくつかあったらしいが、現在は鶴ヶ城公園のみになっている:

天守閣博物館の入口

天守の中にある博物館では天守閣再建50周年を記念した展示があった:

昭和35(1960)年に再建された天守閣(拡大表示)

こちらは会津若松市のキャラクター「お城ボくん」。同市出身の漫画家の作品らしい:

会津若松市観光PRキャラクター「お城ボくん」

こちらは鶴ヶ城公園に移築された茶室麟閣。千宗易こと千利休の養子・千少庵が建てたものらしい:

茶室麟閣

ここで本物の抹茶を一服楽しんできた(500円/当時):

お抹茶と薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)

氷が入った冷たい抹茶は、この日の暑さもあって、とても心地よかった:

お抹茶

この茶菓子は薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)と呼ばれ、すりおろした「つくねいも」と米粉の皮で、小豆の皮を取り除き炊き上げた皮むき餡を包んだもの:

外は「つくねいも」と米粉の皮

中は皮むき餡

最後は、この鶴ヶ城公園周辺で目撃した生き物たち:

お濠で見かけた鴨

本丸跡で見かけた蜻蛉

天文台で見かけたカナヘビ

ということで、この時のフォト集はこちら:

See Also會津若松城攻め (フォト集)

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