数ヶ月前の開発版の頃にまとめたブログが中途半端だったので、もうリリースされてずいぶん経つけれど、リリースノートで紹介されたこと以外で気づいた点を少しまとめておく。
gtk+
既存のクラスの細かな変更の他に目に見えるところの変更点はというと、例えば GtkAction のインスタンスとしてツールバーのアイテムが sensitive ではない場合 (アイコンやメニュー項目が薄い灰色になっている状態の場合) でもツールチップが表示されるようになった:
一時的に利用できないがどんな機能なのかが分かるようになった
あとリリースノートにあったけれど GtkFileChooser クラスでのファイル名の補完処理の改善なんかも:
こんな感じで TAB キーの寿命を長くしてくれる(?)メッセージや
該当するものが1つしか無い場合に固有のメッセージを通知するようになった
実は他にもう一つ別のパターンがあるので gtk+ Freak な人は探してみてはどうだろうか 。これで大/小文字のパターンも処理できれば更に便利になると思うけどな。
そうそう、次の evolution について紹介するネタを探している時に、なんともつまらない翻訳バグを見つけてしまった。もう 2.14.3 までリリースされてしまっているので reminder としてバグ報告してから作業することにしよう。
evolution
一応パッケージ同梱の NEWS を見ればどんな新機能が追加された分かると思うけど、今回は目玉はないね。
ただ個人的にまず思うことは、開発版から使っているのだけれど、結構 Freeze する (Strip して使っているので原因は不明だけど、複数回のセグメンテーションが発生しているというメッセージが出ている)。前のバージョンではほとんどなかったので正直なところ困惑気味 。
テンプレートの機能 (Message Templates) はその名の通り、メッセージ作成ウィンドウでファイル(F)/テンプレートとして保存する(T)を選択すると、Evolution ウィンドウの左側のペインにあるフォルダ・ツリーのテンプレートにメールが保存される。似たようなメッセージを送る時に定型文だけを記述しておけば繰り返し利用できる:
例えば、ちょっとしたメモを GMail 宛てに送ってタグで管理する時の定型文をテンプレート化する時に使うなど
ただテンプレートとして保存したあとにメッセージ作成ウィンドウを閉じようとすると、お決まりの文句である「本当に作成途中のメッセージを破棄してもよろしいですか?」と聞かれるのがウザイけど。
あとはメッセージの管理が今までのファイル管理ではなく SQLite を使った管理に移行したので、当然ながら初回の起動は変換作業のため立ち上がりは遅い。
Google 対応も更に強化された。今度は連絡先の情報を evolution の中に取り込む機能だ:
但し、グループは上手く取り込めずバラバラに登録される (同名の人物が多数登録される)。
こんなものかな。もっと安定してくれればよいのだけれど。
nautilus
リリースノートや前のブログで書いたコンパクト表示は大画面なデスクトップで便利。コンパクト表示にしておきながら倍率を 150% にするとか。
あと、もう一つ新たな機能として、デスクトップに表示するアイコンのラベルやブラウザで表示するファイル名のラベルの長さを調節できるようになった。すなわち省略文字 (…) で置き換える際に表示しておくことが可能な文字列の行数を指定できる。この機能も例のごとく、GUI のダイアログからは設定できず gconf 経由だ。キー名は /apps/nautilus/icon_view/text_ellipsis_limit で整数値で指定する:
$ gconftool-2 -a /apps/nautilus/icon_view default_use_tighter_layout = false default_sort_order = name (..snip..) text_ellipsis_limit = [3]
この例だと3行まで表示するが、それ以上は省略文字にするということである。例えばデスクトップのアイコン表示は次のようになる:
アイコンの上にポインタをのせると全てのラベルが表示される:
詳細は gconf-editor から説明を参照のこと。
gnome-control-center
ちなみに、このバージョンから正式にソース・ファイル名がアプリケーション名同様の gnome-control-center になった。
リリースノートでサウンドのプロパティの日本語版スクリーンショットをのせていないのは、ちょうどその時はこのダイアログが利用できなかった (sensitive ではなかった) から。というのも今回から新しく required される libcanberra はデフォルトのサウンド・テーマとして Freedesktop のサウンド・テーマが $DATADIR/sounds 以下にインストールされていないと動作しない。このパッケージは Ubuntu でも用意されておらず、逆に libcanberra から ubuntu 専用のテーマを参照するような糞パッチがあたっていたけど。なんだろう、ライセンスが問題なのかな。しかし Debian はあるけどな。どうでもいいが、ただ展開するだけなんだが:
$ sudo tar xvf sound-theme-freedesktop.tar.gz -C /usr/share/sounds/
するとこんな感じで表示される:
結構 cool なサウンドだった。
deskbar-applet
リリースノートにはインターネット越しにプラグインを追加でダウンロードできると書いてあるけど、残念ながらデスクバー単体では利用できない。別途、Capuchin というダウンロード・マネージャをインストールする必要あり (Mono も必要):
totem
動画プレイヤーとしてプラグインが豊富になったのだけれど、その中の逸品はやっぱり YouTube ブラウザ だね:
ネットワーク環境によっては検索に時間がかかり Freeze したようにも見えてしまうけど、英語をまともに入力できない iPhone の YouTube ブラウザよりは断然マシだ。
empathy
こちらはずいぶん前の出た頃から使っており、普通に使えるので特に書くことはないのだけれど、ウェブカムをつなげていると何も設定することなく V4L2 経由で映像を送信することもできるようだ。送信されているかどうかは未確認だけど。
まぁ、こんなところかな。