最近、仕事でもお世話になっている GNOME-Office に類するアプリケーションがリリースされたので、ビルドしてメッセージの更新などしてみた。
Planner (バージョン 0.14.4)
プロジェクト管理アプリ。
このバージョンでは、印刷機能が最新の GTK+ に合わせて書き直されたり、Windows 向けのインストーラの更新などあまり大きな変更はないのだけれど、実際に使ってみて気づいたところなどを反映するために日本語のメッセージは全体的に見直してみた。例えば “Predecessor” という用語を「前の作業」に変更した。今までは、作業者の引き継ぎなんかをイメージして、そのまま「前任」としていたんだけど、どうやらこれは誤訳。そんな感じで、あまり馴染みがなく、実際に使ってみないとイメージがつかめない専門用語が結構多い。この変更に合わせて、前作業の種類 (FS とか SS とか略語) も冗長かとは思ったけど日本語にしておいた (以前は英語のまま):
印刷プレビューも横向きになれば良いんだけど、用紙を横向きにしても、プレビューが横向きにならないので今ひとつ:
ちなみに、このアプリは GObject ベースな実装になっており、オブジェクト指向的な設計やクラスとインタフェースの実装もかなりよくできている (と思う) し、コードの量や読みやすさも良なので、もし GObject を使ったアプリを作ってみようと考えているならば、このアプリを参考に作るとよいと思います 。関数や変数の名前の付け方なんかも参考になります。
Dia (バージョン 0.97-pre3)
ダイアグラム・エディタ。
今まではエディタとパレット (図形や描画メニュー) がこんな感じで分離していたけれど、このバージョンから –integrated というオプションを指定して起動すると、上のような1個だけのメイン・ウィンドウに各部が統合されて表示されるようになった。最近のPCの環境は大画面が当たり前になったので、これはこれで便利。提供されている図形 (シェイプ) はいろいろあるけど、仕事柄、主に基本図形でフローチャートを書いたり、UML でプロジェクトの設計なんかしている。UML なんかはオブジェクトとして管理できるし、Python なんかで機能を拡張できるようだけど、今のところ Dia の XML ファイルからプログラムのコードを出力してくれる機能はない。そういう意味でまだまだ Productivity があるとは言えないのだけれど、ダイアグラム・エディタとしてはそれなりに良。操作性もなかなか。このバージョンからレイヤも管理できるようになったし。
アンチエイリアス効果を有効にすると、Cairo を使って描画しているようで、新しくアウトラインなんて描画もできるようになった:
こちらの方も日本語のメッセージを更新しておいた。