GLib Ref. translation progress (TAKE 9).

前回から残りのセクションを翻訳し、これで第四章 「GLib のユーティリティ」は完了。
今回の4つのセクションのうちテストはバージョン 2.16 で追加された新しい API:

  • キーと値のペアからなるファイルのパーサ
  • ブックマーク・ファイルのパーサ
  • テスト
  • Windows 互換の関数

翻訳の ChangeLog は次のとおり:
キーと値のペアからなるファイルのパーサ

  • Windowsの場合のキー・ファイルの違いが追記された
  • 関数が追加された:
    1. g_key_file_load_from_dirs()
    2. g_key_file_get_double()

      “If @group_name is %NULL, the start_group is used.” とあるが実装はそうなっていないようなので注意が必要。バグ登録する予定。

  • g_key_file_get_boolean() のエラーの対処が変わった
  • g_key_file_get_integer () で @group_name = %NULL の処理がなくなった (一番先頭のグループとみなす) し、エラーの対処も変わった
  • g_key_file_set_comment() が返り値を持つようになった
  • g_key_file_remove_*() が返り値を持つようになった
  • G_KEY_FILE_DESKTOP_* の定義が追加された

ブックマーク・ファイルのパーサ

  • GLib 2.12 から追加されたデスクトップのブックマークを扱う API
  • g_bookmark_file_add_application() に誤植があったので #568294 で報告

テスト

  • 新規の翻訳
  • 一部前のバージョンの”メッセージ出力とデバッグ関数”の API を含んでいる
    1. g_assert()
    2. g_assert_not_reached()
  • g_assert_cmpflott() って誤植なんだけど…:X

Windows 互換の関数

  • pipe() マクロがなくなった
  • g_win32_get_package_installation_directory() 関数が廃止になった
  • g_win32_get_package_installation_directory_of_module() 関数が追加された

See Also GLib リファレンスマニュアル: v2.18.1 版の API リファレンス (翻訳中)
See Also SVN リポジトリ: 翻訳作業の SVN リポジトリ
See Also GLib Utilities: オリジナルのドキュメント (第四章)
See Also バグ報告と追跡: 翻訳バグなどの報告はこちらへどうぞ
新しく追加されたテストの API は簡単な Unit Testing (アプリの単体テスト) を行う際に役に立つフレームワークを提供してくれる。テスト・ケースを生成し、テストを行うための条件やテスト自体の初期値などを持つ付帯情報、そしていくつかのテストケースをまとめて行うことができるテスト・パッケージといったインスタンスを用いて、テスト・アプリの起動から終了まで、そしてテスト中はレベルに応じたログの記録、タイマーを用いた時間計測、テスト中に文字列や整数、実数を比較してアサーションを出す機能、テストを行う関数を動的に追加したり削除したりといったあまり複雑ではないテストをサポートしてくれる。実際に GLib パッケージの test はこのフレームワークを用いるように書き直された。ちなみにテスト・プログラムを起動するための専用のコマンドライン (gtestergtester-report) も提供されている。
ということで、次は第五章 「GLib のデータ型」の翻訳に進む予定。

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