Rhythmbox 2.95.

先週、GTK+ 3 対応で GObject Introspection をサポートし、GNOME 3 互換のバージョンがやっとリリースされたので早速ビルドしてインストールしてみたが、どうも曲情報を表示するヘッダ部の配置 (alignment) が悪いのか、ちゃんと曲情報が表示されていないようだ:
rhythmbox-2.95-rb_header-before-20120121.png
コードにある gtk_misc_set_alignment() なんかを調整してみたがうまいような配置にできなかったので、gtk_misc_set_padding() で強引に余白 (padding) を追加してみたが、まぁ良いんじゃないかな:
rhythmbox-2.95-rb_header-after-20120121.png
はじめは、GTK+ 3 から採用された (既に Qt では採用されている) Height-for-width Geometry Management の影響かと思ったがそうではなかったようだ。

--- rhythmbox-2.95~/widgets/rb-header.c 2012-01-15 10:15:24.000000000 +0900
+++ rhythmbox-2.95/widgets/rb-header.c  2012-01-21 21:51:54.468762245 +0900
@@ -252,6 +252,7 @@
gtk_label_set_selectable (GTK_LABEL (header->priv->song), TRUE);
gtk_label_set_ellipsize (GTK_LABEL (header->priv->song), PANGO_ELLIPSIZE_END);
gtk_misc_set_alignment (GTK_MISC (header->priv->song), 0.0, 0.0);
+       gtk_misc_set_padding (GTK_MISC (header->priv->song), 0.0, 5);
gtk_box_pack_start (GTK_BOX (hbox), header->priv->song, TRUE, TRUE, 0);
gtk_widget_show (header->priv->song);

この程度のバグは次のリリースで Fix されるでしょう:)

GNOME 3.2.0 was released.

# タイトル間違えていました × GNOME 3.20 ○ GNOME 3.2.0
前回はかなり痛い目にあったのだけれど、バージョン 3.2 のリリースから遅れること2週間、なんとか全てのモジュールをビルド・インストールし終わったら、なかなか良い具合の仕上がりになっていて正直驚いた。RCの時ホントにリリースに耐えうるものなのだろうかと、バージョン 1.2 以来味わったことのない疑心暗鬼に包まれていたのだけど。

  • Evolution: なんと言ってもうれしいのは、Evolution がメモリ・リーク絡みで落ちることがほぼ無くなったということ8)。RC 版からかなり Polished Up されていた。さらにうれしいのが仮想フォルダにある未読のメールの処理が正常になったことか。RC 前までは未読から既読にマークする度に更新されて (未読ではなくなったので当然ながら) 表示されなくなっていたのだけれど、これがちゃんとフォルダ全体が更新されるまで残ったままになってくれていた。というか、やっと普通の状態に戻っただけのことだけど;)
  • GNOME Shell は拡張機能 (gnome-shell-extensions) がリリースされてやっと使えるようになったことと、アクティビティ・モードにすると全てのワークスペースにあるウィンドウのサムネイルがいびつに重なり合って表示される現象がなくなった。拡張機能を限定しているのでメモリリークも少なくて良し。Empathy との連携も修正されて、ステータスが正しく連動するようになった。ただ、なぜかコントロールセンターへの統合が中止になっていた。まぁどっちでもいいけども
  • Alt+TABキーの挙動も変更されて、GNOME 2 系から継承していたウィンドウの切り替えの他にいくつかのモードが追加されていた。これがキーボード派にはかなり使いづらく、以前のように直前のウィンドウとのトグルができないのがストレスだったが、リリース版になってやっとできるようになった (これはワークスペース&アイコンモード):
    GnomeShell32Exension-AlterTAB-20111010.png

ということで今使っているデスクトップはこんな感じ:
GnomeDesktop-20111010-01.png
GnomeDesktop-20111010-02.png
使っているテーマは、GNOME Shellがデフォルトの Adwaita (今のところ、これが一番軽量)、ウィンドウと GTK+ のテーマは、GNOME 3.0 以来使っている Zukitwo Shell テーマ・パック。こないだバージョン 3.2 にも対応し、今も daily でいろいろアップデートされているようだ。
自分はめったに背景をネイチャー系にすることはないのだけれど、最近の gnome-backgrounds にはセンスのよい作品が多いので、こちらを選択した。
アプリのランチャがのっている GNOME Shell のドックはやはり使い勝手がよくないので、Docky は必須。
GNOME Shell の拡張機能の中では Applications MenuWorkspace Indicateor はこれまた必須。後者はワークスペース名の上でホィールを回すだけでも切り替えが可能。
なんかどっかのOSに見た目は似ているようだけど、それは外観だけ。キーボードの操作性は全然こっちの方が上 :D
最後に、今 GNOME 3.0 を使っているならば ASAP で 3.2 にあげた方が良いです。

GNOME 3.2 RC.

が出揃ってきそうな気配である。
自分の場合、安定版の GNOME 3.0 がリリースされて以来、ずっと開発版リリースのビルド・インストールを繰り返してきたのであまり新鮮味がないのだけれど、最新のβ版でかなり致命的な問題がいろいろ fix されて、ようやく普通のデスクトップに戻って来れたという安堵感がある。
しかしまぁ、今の安定版の出来はひどかった、ホントに :$文句を言いたくなるのも分からなくはない。例えば:

  • Evolution はメモリリークが酷く、一日ももたず SIGSEGV で落ちる
  • GNOME Shell もこれまたメモリリークが酷く、使っていると応答が遅くなるのが手に取るように分かる。一日に何回 ‘r‘ で再起動したか覚えていない
  • Empathy は安定版なのか開発版なのかわからないくらい動作が不安定だった
  • GDBus (GLib) が起動しないため、dconf のバックエンドを利用できず、デスクトップ設定が有効にならなかった
  • Ubuntu oneiric の upstart では DBus の pid ファイルが削除されないため、デスクトップを再起動すると DBus が起動されず、それを require する全てのサービスが機能しなかった (GDM なんかも含めて)

最後の二つは GLib の開発版の bug だけれども、これが他にもいろいろ (gvfsd が起動しないなどの) 弊害を伴っていたため、一時期はセーフモード (それも compiz !) で乗り切っていたくらいだ。まぁ、普段使うデスクトップを開発版にすること自体が間違いじゃないかとも言えないけれど、別環境を用意する余裕もないし、まず第一はこの酷い安定版から一刻も早く解放されたかったからだけど。
今の開発版 (バージョン 3.1.91) では、上記の問題はほぼ Fix されている。一番うれしいのは Evolution はやっとまともな状態になったこと。
そうそう、リリースノートの原本も準備されているので、次期バージョンのトピックスについてはそちらを参照のこと。
ちょっと気になった機能としては:
【GTK+】GtkFontChooser クラスのフォント・プレビュー
新しく設計し直された。しかしながら、無駄にフォントを大量にインストールしているような環境だと、ダイアログが表示されるまでに死ぬほど時間がかかる:
New-GtkFontChooser-20110921.png
【GTK+】GtkFileChooser クラスの最近開いたファイルの一覧
最近開いたフォルダが優先されて表示されるようになった。これは意外と便利:
New-GtkFileChooser-20110921.png
【GNOME Shell】新しいユーザ・メニュー
ちょっとだけかっこよくなった:
GNOME-Shell-New-UserMenu-20110921.png
【GNOME Online Accounts】オンラインアカウントとアプリを統合する
といっても、今のバージョンで使えるのは Evolution くらい。Google の受信箱が表示されたり、カレンダとマージしたり。
OnlineAccounts-20110921.png
(他にもあったと思うけど、思い出したらまた紹介する予定。)
ということで、以下は追加:
【Nautilus】サイドバーの改良
これは独自の変更なんだけれども、その発端は GNOME 3.0。
GNOME 3.0 になって Nautilus の UI はかなり簡単になったというか違和感があるというか、個人的には使いづらくなって困っている。例えばツールバーに [↑] ボタンがなくなってしまってナビゲーションのアクションが増えてしまう傾向にあったり、サイドバーの「場所」と「ツリー」を切り替えるコンボボックスがなくなってしまて、ユーザ規模とシステム規模の切り替えがスムースにいかなかったり。
で、このあたりを独自に直すとメンテナンスが大変なので、簡単にできそうな Hacking を。それはサイドバーの「場所」モードにあるショートカット・エントリで、デフォルトでは最後尾にある「コンピュータ」と「ネットワーク」の位置と「ブックマークの一覧」の位置を交換するというもの。これは、ブックマークが増えてブックマーク一覧が長くなってしまうと、どんどん「コンピュータ」と「ネットワーク」の位置が下がっていってしまって、ショートカットにならないのに不満がつのって。本当はデフォルトで折りたためたりすれば良いのだけれども。
これが改良する前のサイド・ペインで、ブックマークをいろいろ登録したため、コンピュータのショートカットにアクセスするために毎回スクロールさせないいけなくなった:
nautilus-sidebar-order-old-20110925.png
これが改良した後のサイド・ペイン。「デバイスの一覧」のエントリが増えなければ、なんとかショートカットでジャンプできる:
nautilus-sidebar-order-modified-20110925.png
一応 Nautilus ファイルマネージャは毎回のリリースで進化しており、全てのメディアや場所をシームレスに扱える基本的なファイル操作は全然問題ない。ただユーザ・インタフェースが MacOS-X に似てどんどん簡略化されているのが気に入らない。もともと GUI ありきの OS とは違い、CUI がまだまだ健在な Linux ではそのコマンドライン操作のイメージがそのまま GUI に転写されるようなインタフェースであってもらいたいものだ (例えば cd コマンドで一つ上の親フォルダに一発で移動するとかというイメージ)。パッチはこちら。

Show-Correct-Date-In-Clock on GNOME Shell.

リリース当時から時計に日付を表示させると、いつも1ヶ月前の日付になっていたのだけれど、G3.1の gobject-introspection-1.29.16 をビルド・インストールしたら正しく表示されるようになった。この時計ボタンに表示される日付だけおかしくて、ボタンを押してカレンダを出すと表示される月は問題なかった。
Webで検索してもそれらしい現象にはヒットしなかったので、俺ビルドの環境だけだろうかと思っていた :$。なので日付は表示していなかったんだけど、昨日から表示するようにしている:

GNOME-SHELL-show-date-in-clock-20110803.png

Nautilus Renames Extension 3.0 RC1 was shipped.

バージョン 2.0 をすっ飛ばしてのリリースだけれども良しとしよう。たいして大きな機能追加もバグ修正もなく、単に gtk-2.0 から gtk-3.0 に変えただけのリリースだし :X (GtkComboBoxTex クラスのコンパイルエラーを直したくらい)。
nautilus-renames30rc1-20110607.png
See Also nautilus-renames-2.9.0.tar.bz2: Release Candidate1
See Also 開発リポジトリ
See Also ホームページ
こちらも覚えていれば 3.0 として近日中にリリースする予定 :P