既に GNOME 3.16.2 のビルド・インストールは完了済み。
実は、ここまで来るのにいろいろ紆余曲折があった。というのも、今年の初め、ちょうど出張に入る直前まで、昨年の9月にリリースされた GNOME 3.14 のビルドを「毎度のように」時間を見つけながらやっていたのだけれど、このリリースから部分的にサポートが始まった systemd に対応してみたり、使えない Unity デスクトップを排除するようなパッケージ (例えば unity-settings-daemon の古いサポートを無視したまま新しいバージョンの gnome-settings-daemon) をインストールしてデスクトップ再起動を繰り返しているうちに gnome-shell が起動できなくなり、さらには linux の shutdown さえもまともにできなくなってしまった 。それがわかったのが出張の前日ということもあり、後ろ髪引かれる思いで出張へ。
毎度のことながら ja.po の更新を含めたパッケージ作成には時間がかかるもので、この時は (これも去年の長期出張により一つ前の GNOME 3.12 をスキップしているため) リリースが二つ古い GNOME 3.10 からのアップデートだったということもあり、いろいろなことで時間を食った。さらに改めて振り返ってみると、Running Machine でパッケージを作成しビルドしてインストールというスタイルの「限界」も痛感した 。このスタイルは GNOME デスクトップのビルドを始めてからかれこれ10年近く変えていないのだけれど、近頃の GNOME はデスクトップの領分を越えてシステム規模の Requires まで要求するようになっていく傾向にあり、常々やりずらいなぁと思っていた。大昔だと、例えば Linux Kernel の Inotify やら HAL なんか。そういうことで、今回は systemd を部分的にインストールしたのが不味かったのかなぁと思っている。確か、この時点で Ubuntu デスクトップが systemd をサポートするのは 15.09 からだと聞いていたので、ubuntu 14.03 には少々強引だったかなぁとも。
そんな出張中に「systemd の導入が前倒しで 15.03から」というニュースを聞いたので、出張が終わったらゼロから構築しようと決めた。さらこのビルドからは仮想マシンをテスト機として用意し、ビルドしたパッケージのインストールや実行テストをきっちり行ってから Running Machine にインストールする方法を始めてみることにした。最初はこの二度手間が苦痛だったけど、何度か危ないケースを回避できたこともあり、今ではやってよかったと思っている。
それでもシステム全体をゼロから構築したので、ビルドの他にもいろいろ手間がかかったけれど、出来上がった現在の GNOME 3.16 デスクトップはこんな感じ:
そんなこともあり、$HOME 配下に眠っていた大昔のドット・ファイルを一掃することができたもの良かった 。
GNOME 3.16 の出来の方だけれど、リリースノートを読めばわかる通り、大して嬉しい機能はなく、ちょっとした改善レベルであり、このビルドとインストールにかけた時間のことを考えると残念でならない。まぁ今に始まったことではないけれど。この程度の進歩ならば半年ではなく1年リリースで十分じゃないかと思うのは俺だけだろうか。
通知メカニズムの改善
「全面的な改良」を謳っているけど、数個先のリリースではまた改良されそうな気配:
Nautilus の改善
毎度「見やすさ」とか「見栄え」とかで手が加えられる「ファイルの一覧」こと Nautilus。但し一覧表示すると、「修正日時」や「詳細な修正日時」の項目の書式は US フォーマットのままで日本語。仕方ないので B.G.O #750917 に登録しておいた。直ぐ治したいのであれば、このチケットに貼り付けたパッチを参照のこと:
ということで、しばらくこんな感じで「ぼやいていく」予定。