GNOME 3.2 RC.

が出揃ってきそうな気配である。
自分の場合、安定版の GNOME 3.0 がリリースされて以来、ずっと開発版リリースのビルド・インストールを繰り返してきたのであまり新鮮味がないのだけれど、最新のβ版でかなり致命的な問題がいろいろ fix されて、ようやく普通のデスクトップに戻って来れたという安堵感がある。
しかしまぁ、今の安定版の出来はひどかった、ホントに :$文句を言いたくなるのも分からなくはない。例えば:

  • Evolution はメモリリークが酷く、一日ももたず SIGSEGV で落ちる
  • GNOME Shell もこれまたメモリリークが酷く、使っていると応答が遅くなるのが手に取るように分かる。一日に何回 ‘r‘ で再起動したか覚えていない
  • Empathy は安定版なのか開発版なのかわからないくらい動作が不安定だった
  • GDBus (GLib) が起動しないため、dconf のバックエンドを利用できず、デスクトップ設定が有効にならなかった
  • Ubuntu oneiric の upstart では DBus の pid ファイルが削除されないため、デスクトップを再起動すると DBus が起動されず、それを require する全てのサービスが機能しなかった (GDM なんかも含めて)

最後の二つは GLib の開発版の bug だけれども、これが他にもいろいろ (gvfsd が起動しないなどの) 弊害を伴っていたため、一時期はセーフモード (それも compiz !) で乗り切っていたくらいだ。まぁ、普段使うデスクトップを開発版にすること自体が間違いじゃないかとも言えないけれど、別環境を用意する余裕もないし、まず第一はこの酷い安定版から一刻も早く解放されたかったからだけど。
今の開発版 (バージョン 3.1.91) では、上記の問題はほぼ Fix されている。一番うれしいのは Evolution はやっとまともな状態になったこと。
そうそう、リリースノートの原本も準備されているので、次期バージョンのトピックスについてはそちらを参照のこと。
ちょっと気になった機能としては:
【GTK+】GtkFontChooser クラスのフォント・プレビュー
新しく設計し直された。しかしながら、無駄にフォントを大量にインストールしているような環境だと、ダイアログが表示されるまでに死ぬほど時間がかかる:
New-GtkFontChooser-20110921.png
【GTK+】GtkFileChooser クラスの最近開いたファイルの一覧
最近開いたフォルダが優先されて表示されるようになった。これは意外と便利:
New-GtkFileChooser-20110921.png
【GNOME Shell】新しいユーザ・メニュー
ちょっとだけかっこよくなった:
GNOME-Shell-New-UserMenu-20110921.png
【GNOME Online Accounts】オンラインアカウントとアプリを統合する
といっても、今のバージョンで使えるのは Evolution くらい。Google の受信箱が表示されたり、カレンダとマージしたり。
OnlineAccounts-20110921.png
(他にもあったと思うけど、思い出したらまた紹介する予定。)
ということで、以下は追加:
【Nautilus】サイドバーの改良
これは独自の変更なんだけれども、その発端は GNOME 3.0。
GNOME 3.0 になって Nautilus の UI はかなり簡単になったというか違和感があるというか、個人的には使いづらくなって困っている。例えばツールバーに [↑] ボタンがなくなってしまってナビゲーションのアクションが増えてしまう傾向にあったり、サイドバーの「場所」と「ツリー」を切り替えるコンボボックスがなくなってしまて、ユーザ規模とシステム規模の切り替えがスムースにいかなかったり。
で、このあたりを独自に直すとメンテナンスが大変なので、簡単にできそうな Hacking を。それはサイドバーの「場所」モードにあるショートカット・エントリで、デフォルトでは最後尾にある「コンピュータ」と「ネットワーク」の位置と「ブックマークの一覧」の位置を交換するというもの。これは、ブックマークが増えてブックマーク一覧が長くなってしまうと、どんどん「コンピュータ」と「ネットワーク」の位置が下がっていってしまって、ショートカットにならないのに不満がつのって。本当はデフォルトで折りたためたりすれば良いのだけれども。
これが改良する前のサイド・ペインで、ブックマークをいろいろ登録したため、コンピュータのショートカットにアクセスするために毎回スクロールさせないいけなくなった:
nautilus-sidebar-order-old-20110925.png
これが改良した後のサイド・ペイン。「デバイスの一覧」のエントリが増えなければ、なんとかショートカットでジャンプできる:
nautilus-sidebar-order-modified-20110925.png
一応 Nautilus ファイルマネージャは毎回のリリースで進化しており、全てのメディアや場所をシームレスに扱える基本的なファイル操作は全然問題ない。ただユーザ・インタフェースが MacOS-X に似てどんどん簡略化されているのが気に入らない。もともと GUI ありきの OS とは違い、CUI がまだまだ健在な Linux ではそのコマンドライン操作のイメージがそのまま GUI に転写されるようなインタフェースであってもらいたいものだ (例えば cd コマンドで一つ上の親フォルダに一発で移動するとかというイメージ)。パッチはこちら。

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