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城攻めと古戦場巡り、そして勇将らに思いを馳せる。

亀居城 − Kamei Castle

亀居城の本丸虎口は枡形ではなく鉤形だった

広島県大竹市にある亀居城は、慶長5(1600)年の関ヶ原の戦で功績のあった東軍で豊臣恩顧の大名の福島正則が、西軍総大将だった毛利氏を監視するために安芸国西部の西国街道(山陽道)を押さえる要地の砦跡に築いた平山城である。正則は甥の福島伯耆を城主としておき(完成を見ることなく死去し、城代を置くことになるが)、慶長8(1603)年から五年の歳月をかけて完成した城は、瀬戸内海に面し、総面積がおよそ十万㎡で、標高88mの山頂に天守を持った本丸を配置し、この他に二の丸・三の丸・有の丸・なしの丸・松の丸・名古屋丸・捨の丸など11個の曲輪を配置して、海に面していない側は新町川や海水を導入した水堀や空堀を巡らした巨大な堅城であった。しかしながら、築城からわずか3年後の慶長16(1611)年には廃城になってしまった。その理由は、ちょうどこの時期に徳川家と豊臣家の関係が悪化し、豊臣恩顧の猛将である福島正則は幕府からの圧力が非常に厳しかった。福島正則は幕府に対して二心が無いことを示すために、素直に命令に従って破却したと云う。

G+のコミュニティで、出張先の広島にある別宅から40分くらいの所に、破却されたとは言え、現在もりっぱな石垣が残っているオススメの城があるという情報を入手したので、昨年は2014年の8月初めに、当時上陸していた台風11号が通過して雨風が収まった頃合いを見て攻めてきた。まずはJR山陽本線の玖波(くば)駅で下車して、駅前から出ているこいこいバス(pdf形式)という循環バスに乗り、小方公民館という停留所で降りた:

亀居城跡は、ここから徒歩10分程度のところにある

大竹市こいこいバス「小方公民館」という停留所

この停留所近くのR2沿いには「亀居城跡入口」なる立派な石碑が建っていた:

こいこいバスの小方公民館という停留場すぐそば

大竹市指定重要文化財 亀居城跡入口の石碑

そして、この石碑の先にJR山陽本線があり、それを越えてちょっとした丘陵を登って行くと亀居城跡がある。破却された亀居城は「城山」と呼ばれて永らく人々に親しまれていたが、丘陵の山頂付近を史跡公園にすることになり、実際に工事が始まった昭和52(1977)年11月に、天守閣西側の石垣が発見されたため、県の指導により、大規模な文化財調査が実施された。その結果、大部分の石垣は破壊されていたものの、驚くことに主要な曲輪の石垣は残されたままになっており、城郭や石垣の刻印なども確認できたので、大竹市指定史蹟に認定され、亀居公園として整備が行われた。そのためか本丸の天守台は立ち入り禁止のフェンスで囲まれていた:

この絵の石垣のアイコンがある場所が亀居城跡

亀居公園案内図

こちらは、JR山陽本線の踏切から見た亀居城跡のある丘陵:

右上の森のあたりが亀居城のある亀居公園

JR山陽本線から見た亀居城跡のある丘陵

そして、亀居公園までのぼる途中の坂から見た大竹市の眺望:

この歩道橋でJR山陽本線を越えると小方公民館の停留場がある

亀居公園へ上る坂から見た大竹市街

写真右下あたりのR2そばに「亀居城跡入口」の石碑がある

瀬戸内に浮かぶ大黒神島(手前)と江田島(奥)

住宅街のある坂を抜けたところに亀居城跡が残っており、縄張具合はこんな感じ。ホント、亀が伏せた格好に似ていた:

伏せた亀を横から見たような縄張になっている

亀居公園案内図

公園の北東あたりから敷地に入ると整備された土塁跡が出現する:

ここを路なりに進むと松の丸や本丸がある

亀居城名古屋丸跡付近の土塁

この先は捨の丸跡

亀居城名古屋丸跡付近の土塁

これは名古屋丸虎口。八月の台風が去った後に行くと、至るところがこんな感じで荒れていた:

名古屋丸南面にある石段が虎口

名古屋丸虎口

この虎口を登った所にあるのが名古屋丸跡。城の北東部にある曲輪の一つ:

城の北東部のある曲輪

名古屋丸跡

名古屋丸のさらに北東下段にある捨の丸跡:

名古屋丸のさらに北東側にある曲輪

捨の丸跡

捨の丸跡と名古屋丸跡の間にある虎口:

りっぱな石段が残っている

捨の丸と名古屋丸との間にある虎口

ちなみに、名古屋丸南側の住宅街は、当時は鐘の丸があったとか。まったく見る陰もなくなっていたけれど。

それから名古屋丸を南へ移動していくと、南西側には高さのある切岸が残っていた:

松の丸と名古屋丸の間に置かれた境界線

松の丸切岸

この先が松の丸跡

松の丸切岸

この切岸の上にあるのが松の丸跡:

高い切岸の上にある曲輪

松の丸跡

松の丸跡を降りて、となりの「なしの丸跡」との間に「亀居城石垣の刻印」なる説明板があった:

小さい城ながら紋様の種類の多さが目立つ亀居城

築城工事の際に石垣の石に目印のマークを付けた

なにやら広島城の刻印の種類を凌ぐ数の多さで、そのうち21個は広島城の刻印と一致したらしい。

中世の城に刻印があるのは珍しい

刻印のある石垣

全24種類264個の刻印が確認された

刻印のある石垣

松の丸跡のさらに南側の一段上に「なしの丸跡」がある。発掘当初は10個の曲輪の存在のみが明らかになっていたが、地元大竹市の古文書には11個目の曲輪である「なしの丸」の存在が記録されていた:

一番高い曲輪

なしの丸跡

「なしの丸跡」から、さらに南へ移動すると本丸へ通じる通路があり、その通路沿いにあるのが有の丸の石垣:

有の丸の他に、三の丸の石垣も二段になっている

二段構えになっている有の丸北側の石垣

有りの丸跡へ上る石段と有の丸跡:

この上が有の丸跡

有の丸へ続く石段

有の丸跡

有の丸の西側にあるのが三の丸で、その虎口付近にある石垣。櫓跡っぽいがどうなんだろう:

櫓跡にも見えなくもないが、詳細は不明

三の丸の石垣

この石垣を左に見つつ通路を挟んで右側から登っていくと三の丸跡に入る:

さらに、この西側には二の丸がある

三の丸跡

三の丸の石垣:

石を割った時の鏨(たがね)跡が残る

三の丸の石垣

石を割った時の鏨(たがね)跡が残る

三の丸石垣

そして三の丸跡から二の丸跡へは、こんな石段が伸びている。いわば、ここが二の丸虎口。中段辺りにの石垣脇を抜けて二の丸跡へ行くことも可能だった:

三の丸跡から二の丸跡へ入るための虎口

二の丸虎口

中段にあるこの石垣の右脇を抜けて二の丸跡へ入った

二の丸虎口の中段にある石垣

こちらが二の丸跡:

演壇と休憩所があった

二の丸跡

(この周りで花見でもするのだろうか)

二の丸跡

(城郭風の演壇だけど、何に使うのだろうか)

二の丸跡

二の丸跡まで上ると、その奥には本丸の高石垣がそびえ建っていたのだけれど、この時期ならではの荒れ具合だった:

下部は打込み接ぎの石垣で、上部の復元した石垣は切込み接ぎ

本丸石垣

下部は打込み接ぎの石垣で、上部の復元した石垣は切込み接ぎ

本丸石垣

本丸石垣の奥に出張っている部分は天守台石垣:

上部の石垣は布積みの切込み接ぎ

左が本丸石垣、右が天守台石垣

下部にある元々の石垣は打込み接ぎ

天守台石垣

下部にある元々の石垣は打込み接ぎ

天守台石垣

下部にある元々の石垣は打込み接ぎ

ぐるりとまわった反対側は本丸石垣

こちらは本丸の南下にある詰の丸(西側井戸跡)方向を指していた案内板。今回の城攻めで、すっり存在を忘れていて行けなかった ;(

この本丸跡の下の段にある

捨の丸への案内板

台風が去ってくれて青空が広がっていた。こちら側(本丸南側)は本丸石垣のみ:

左は復元された本丸石垣、右は元々の本丸石垣

左が切込み接ぎ、右が打込み接ぎ

奥が切込み接ぎ、手前が打込み接ぎ

本丸石垣

切込み接ぎと打込み接ぎが混ざった石垣

本丸石垣

本丸の北東部にある二の丸から入るための本丸虎口:

本丸虎口は枡形ではなく鉤形だった

本丸虎口

鉤形の虎口を上ると本丸跡になる:

この右側に天守台がある

本丸跡

本丸の碑と本丸南側にある展望台:

鉤形の虎口を上ると本丸跡が広がる

本丸跡

右側にあるのはケミカル工場

本丸奥の展望台から安芸灘を眺めたところ

台風が去ってくれたおかげで眺めも素晴らしかった:

安芸灘に浮かぶ厳島

本丸からの眺望

本丸跡の西隅にあるのが復元された20㎡程度の広さを持つ天守台跡。石段が無かったので、当時は梯でも使っていたのだろうか:

復元された天守台石垣は立入禁止のフェンスが建っていた

天守台石垣

こちらは打込み接ぎだった

天守台の石垣

天守台の石垣

本丸虎口から二の丸方面へ戻り、さらに詰の丸跡があるその南側には二の丸南側虎口がある:

二の丸のもう一つの虎口

二の丸南側虎口

正面からみたところ(ここを上ると二の丸)

二の丸南側虎口

亀居公園の参道沿いからみたところ

二の丸南側虎口

見事な石垣

二の丸南側虎口

最後に、こちらは攻城戦の帰路、二の丸跡から公園の参道を降りて松の丸跡南側の駐車場からみた瀬戸内海に面したコンビナート街の眺望:

台風11号が去ってくれたおかげで、なかなかの眺望だった

瀬戸内海に面した大竹市のコンビナート街の眺望

See Also亀居城攻め (フォト集)

1 個のコメント

  1. 当時、台風通過後に軽い登山気分で行ったんだけど、支城としてはなかなかの造りで驚いた。大部分が破却されたにも関わらず、これだけの石垣が残っているのだから。
    あと、山陽本線の西広島から岩国の間には城(跡)が結構多いのは意外だった。

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