天保9年(1838)当時の姿を残す佐嘉城の鯱の門

 

佐賀県佐賀市にある「佐嘉城」は、肥前の熊こと龍造寺隆信の居城であった佐嘉龍造寺城(村中城)を、彼の従兄弟であり義弟であり重臣の一人であった鍋島直茂とその子勝茂が拡張して、鍋島佐賀藩36万石の居城となるべく、慶長13(1608)年に普請が始まり3年後に完成した。この城は四方を堀で囲み、平地に築かれた典型的な平城であり、本丸には五層の破風のない素朴ながらも実戦向きの天守閣が建てられたが、享保11(1726)年の大火災で焼失した後は再建されなかった。それ以外に度重なる火災で本丸や二の丸が焼失しているものの、本丸跡の鯱の門や本丸御殿が再建・復元されている。また天守台とその石垣も残っており、隅檜台の石垣や水堀などを見ることができる。

続きを読む