佐賀県の神埼郡にある吉野ケ里遺跡こと吉野ケ里歴史公園には、およそ700年も続いた弥生時代の環壕集落や、外敵に備えて集落の周囲に巡らした二重三重の濠や柵、そして物見櫓のような立柱(たてばしら)建物跡など、まさに「城」の原型とも言うべき遺構がいろいろ復元されている他、発掘調査で出土した遺跡や史跡を見学できる。公園北には北墳丘墓(きたふんきゅうぼ)と呼ばれる巨大な甕棺墓列(約3,000基)が調査結果より忠実に復元されている。
佐嘉城攻めの後、帰りの新幹線まで少し時間があったので、日本百名城の一つである吉野ケ里遺跡に立ち寄ってみた。佐賀駅から電車で20分程の吉野ケ里公園駅から、さらに徒歩20分。これは意外と「遠い」。行けばわかると思うけど、それからあの広大な敷地を歩き周ることになると考えると、まぁ普通は車で行くような所だわなぁ。
ちなみに、吉野ケ里歴史公園のある吉野ケ里町は平成18(2006)年に近隣の町と合併して出来た町で、豊かな自然環境とそれを活かしたさまざまなレクリエーション施設や歴史・文化資源が「売り」のようで、公園駅を降りると、いきなり野性味あふれたイノシシ(人形)が出迎えてくれる:
R385沿いにある入口から駐車場を越えてやっと歴史公園センターなる切符売り場に到着。入場料420円を払って公園に入ってみると、その広大な敷地の中に「城」を彷彿させるような弥生時代の建築物が立ち並んでいるのには驚いた。いちおう園内にはバスが走っていたようだけれど、時間の都合で公園全てを見て回ることはできなかったので、今回はざっと目に着いた北と南にある内郭を中心に歩きまわってきた。
まずは環壕集落ゾーンの入口広場位にあった外濠と逆茂木(さかもぎ)。外濠はV字型に掘られ総延長が2.5kmもあり、その中に囲われた土地は20haにも及ぶらしい。堀には木の杭や柵などで外敵の侵入を防ぐ工夫がされていた:
園内の展望台からみた南内郭(パノラマ)展望台からみた南内郭(パノラマ):
そして弥生時代のいろいろな建物。この時代から身分による差別化(階層化)が始まっており、一般人と王や司祭が住む家が異なっているのがわかる:
北の内郭には、まつりごとを司る主祭殿といった施設や斎堂、東祭殿、倉、兵士の詰所などが立ち並んでいた。
さらに北には歴代王の墓である北墳丘墓・立柱・祀堂・墓道などがあるようだけれど、今回は時間の都合で観ることができなかった。次回、また機会があれば奥地まで攻めてみたい。
吉野ケ里攻め (フォト集)
施設の内容はほぼ巨大アミューズメント。体験コーナーやBBQコーナーなんかもある。もちろん、北墳丘墓のような貴重な展示物もあるのだけれど、全部見て回るには半日くらい必要じゃないかな。