これもまた二ヶ月ほど前の城攻め。
思えば、この頃から週末は完全に城巡りツアーになっていたっけ 。雑誌やウェブを見て次の週末は「どこを攻めようか?」とか、Google+のコミュニティに参加して情報を収集したり、当日はどういうスケジュールでどの路線を使って「進軍しようか?」とか、果ては今週末は天気が悪いので天気が良いこちらの城を攻めようだとか、昼飯はどこで何を食べようかとか、結構時間をかけてプランを立てるようになっていたなぁ。まぁ、それがまた楽しいと分かったからだけど
。5月に入れば連休も続くし、何よりも中四国地方は城が多い。江戸時代の一国一城令や明治維新後の廃城令なんかで歴史的に貴重な城がいっぱい消えてしまったけれど、最近は県や市や城ファンのおかげで復旧されたりしている。生まれてから城とはあまり縁がなかったこともあり、ここぞとばかり「城」(Castles) の魅力に一気に取り憑かれてしまった模様。もともと信長の野望世代なので戦国時代の歴史には興味があったのが幸いしてか。さらに出張で来て以来、もしかしたら二度と見れないかもしれないという気持ちもあったし。
今回は、この雑誌の付録でアクセス方法など意外と欲しかった情報が満載な「日本100名城探訪ガイドブック」の中から、意外と近場にあった備中松山城を攻めることにした。
備中松山城
さらに、今回は初めて特急を使ってみた。まずはJR山陽本線で2.5時間かけてJR倉敷駅まで移動し、そこから伯備線は「特急やくも」 (自由席特急券750円)に乗り換え0.5時間ほどでJR備中高梁駅に到着:
駅を出て、タクシー乗り場の向こうにある観光案内所へ行き「高梁テクテクマップ」なる地図を入手して、城へ登る登山口がある鞴(ふいご)峠まで行く乗り合いタクシー(消費税アップで片道550円)を予約した。一応、往復の時刻表が公開されているので事前に確認しておくことをおすすめする。予定の時間になったので駅前からタクシーに乗り込む。土・日曜日はバスも出ているようだけど、少人数ならタクシーの方が便利。なにせ目的地は険しい山の上に築かれており、登山口から30分くらい山登りする必要がある。ちなみに、JR備中高梁駅から徒歩はかなり遠いし勾配もキツイ:
改めて、備中松山城は日本三大山城の一つで、小松山(標高430m)の山頂には小規模ながら山城として現存している唯一の天守が「売り」。この天守は江戸時代のものだけれど、個人的には戦国時代の三村元親の親子が小早川隆景らと籠城戦を行った堅牢強固な城というイメージがある。
登山口から登って行くと中太鼓の丸跡があり、そこからの市街の眺めを堪能してから更に遊歩道沿いに歩いていくと、天然の崖と石垣が融合した見事な三の丸を見ることができる:
さらに二の丸、本丸と登っていくに従って見事な石垣や石段が現れてきた:
そして本丸にはいると、こじんまりとしてはいるもののきっちりと主張している天守と土塀にお目にかかれる:
天守へは入場料(大人300円)を払って入ることができ、階段の急勾配はもとより、素晴らしい木造建築を堪能できる:
そして、天守の裏手にある二重櫓の建築物も素晴らしいが、まさに「天然の要害」を彷彿させる崖と石垣のみごとな融合は必見:
帰りのタクシーに間に合うよう余裕をもって、それでいてしっかりと2時間の城攻めを堪能した後、シャトルバスに乗り込む人たちを横目に乗り合いタクシーで再びJR備中高梁駅へ向かった。
それから、観光案内所においてあったチラシを見て気になっていた「インディアントマト焼そば」なるB級グルメを遅めの昼飯にしようと、駅から最も近い (そして営業時間が最も長い)「マルオカ食堂」へ向かった。駅から徒歩10分くらい。途中、地元の少年にお店の場所を聞いてみたけど「知らない」との返事。まぁチラシの写真から若干、古めの食堂っぽい感じがしていたので、もしかしたら無くなっているかもしれないという思いを持ちながらしばらく歩いていると、食堂を発見。で、入ってみるとおじいさんが一人。今、おばあさんを呼んでくるからと言って、自分ひとりが食堂に取り残された (というか店番させられた) 。で、チラシを見せて注文したところ残念ながらトマトが品切れだそうで、時間も時間だし仕方なく焼うどんに変更。お好み焼用の鉄板であつあつの焼うどんを作ってもらい、阪神タイガースのファンで、話好きなおばあちゃんから地元話なんかを聞きながら完食。味はごくごく普通だったけどいろいろ面白い話が聞けて楽しかった。この備中高梁は日本映画のロケ地が多いそうで、例えば八つ墓村に出てきた多治見家のロケで使われた広兼邸なんかがあるそうで。
腹ごなししたので、最後に是非訪れたかった尼子十勇士の一人で三日月に向かって「願わくば、我に七難八苦を与えたまえ」と祈ったことで有名な山中鹿之介が謀殺された場所 (JR備中高梁駅から徒歩で30分くらい歩いた所にあるローソンの横) にあるお墓にお参りした:
この備中松山城の城攻めはいろいろな意味でとても面白い旅であり、先人たちの素晴らしい技術に触れることが出来た。
備中松山城攻め (フォト集)
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